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  ☆ 黒沢山2051.3m ☆ 〜松本市・安曇野市〜     2007.03.17 メンバー:JJ

   登り : ふるさと公園6:25−(45分)−NO.82鉄塔7:10−(50分)−祠8:00−(120分)−大岩11:00−(45分)−黒沢山11:45
   下り : 黒沢山12:00−(90分)−金比良山13:30

今日は妻が実家に帰っている為、滅多にない丸一日山日和である(あきれて実家に帰ってしまったのではない・・・)。 どこに行こうか悩んだ末、黒沢山に行くことにした。いつも山を見るたび”あそこ尾根伝いに行けそうだ”と妻に言っていた山である。 登山道が無い為少し不安はあるが、何とかなるといった気分で家を出た。 梓川ふるさと公園に到着。少し奥に入った石碑の辺りに車を止め、林道を歩きながら取り付き場所を探る事にした。 石碑から歩いて2・3分で林道分岐があるが、右側の南黒沢川北側の尾根から取り付かなければならない為、右側林道を進んで行く。 10分程歩くと、高瀬川線NO.82鉄塔入り口があった。ここから取り付く事にする。

鉄塔への巡視路だけあり、 道は良く迷う事もない。だが途中、道の真ん中に巨大な糞があり、熊ではないかとかなりビビりだす。 そう言えば遥か昔、黒沢の滝周辺は熊が良く出るから近寄るなって学校で連絡が出た程だ。 そんな事もあろうかと獣対策重装備でやってきたのであった。

順調に進み鉄塔までやってきた。 それなりに展望が利く場所であり、地図を見てルートを確認しながら10分程休憩をする。 ここから先、どの様なルートが待っているのか。楽しみであり不安でもある。 気合いを入れて鉄塔を後にした。

鉄塔まで雪は全く無かったが、ここからは雪道に変わる。 鉄塔を過ぎてもそれなりに歩きやすい場所が続く。 尾根を忠実に辿りどんどん登っていく。

斜面を登りきると、平坦な場所に出る。ここで右側から尾根が合流した。 右側からくる尾根を下ったところに”金比良山”があるため、帰りはそっちのルートへ下ってみよう。 んで、ここから少し登って行くと、かなり広い平坦な地形のところに出た。 日が当たる為か雪があったり無かったり。すると朽ちた祠を発見。 無事をお参りして、気分を新たに出発である。

祠があった広場から先は細い尾根に変わった。 まだまだ歩きやすい道が続く。 境界線石柱の印テープがある為、それを追う感じで進んでいく。

徐々に尾根も広くなり斜面も緩やかになってくると、境界線プレートが付けられたひと際目立つ木があった (多分ここが1391m標高点)。 流石に雪が深くなってきたので、スパッツ装着を兼ねて10分程休憩をする。 それにしても高度が上がれば上がる程、空模様が怪しくなっていく。楽しさよりも不安の方が大きくなる一方である。

しばらくの間それなりに緩やかな尾根歩きとなるのだが、雪の量が増してきて足が辛い。 たまにズボッと埋まりながらも気合いで歩いていく。

1600mを越えた辺りで周りは樹氷になっていた。左側が切り落ち、 この辺りから笹が目立ちはじめる。 一部背丈ほどの笹漕ぎを強いられるところがあったが、それ以外は基本的に雪の下敷きになっている。 薮を抜け少し登ったところで振り返ると、薄らと安曇野が見えた。登山開始から3時間半。 雪道ってのもあり、さすがに疲れてきた為、景色を見ながら休憩を入れる。 登っている時は感じなかったが、だいぶ気温も低くなっている様で止まっていると寒い。

休憩で少し元気を取り戻し、雪の斜面へと足を動かす。 しばらくして、ワイヤーが巻かれてた木があった。巻かれてから結構な年月が経つのか、木が成長しワイヤーがめり込んでいる。

どんどん傾斜が増してくる。尾根も細くなり左右も急な斜面になる。 雪も一段と深くなり、徐々に恐怖心が沸きあがる。自分が挑むには少し早過ぎただろうか・・・。 しばらくして左側の視界が一気に開ける。本来なら天狗岩が見えるのだろうが、山頂付近は雲に覆われていて見えなかった。

今度は目の前に大岩が姿を見せる。 黙々と進んで来た事もあり、テンションが上がると同時に緊張感も増す。 ここは尾根に沿って左側を巻く様に進む。

岩の左側は笹の急斜面となっており、寝た笹の茎と雪で良く滑る。 滑り落ちたら何処までも落ちてしまいそうであり、 注意しながら岩の上に乗る様にルートをとる。 岩に乗ると、目の前の木にワイヤーが数本巻きつけてあった。 このポイントから一気に傾斜が増し、壺足だけに本気で心配になってきた。

山頂へ向け一直線の急登となり、雪の量が半端なく多い。 倒木があり深みになっていたのか、踏み込んだ左足が一気に腰まで雪の中に埋まった・・・。かなりの冷や汗である。 必死で抜け出し気を落ち着かせる。そんな事もあり、なかなか足が前に出ない。 一歩一歩ゆっくり踏んで確認しながら進む。斜面がキツすぎて、股まで埋まる体は木を掴まないと登る事が出来ない。 こんな時にスノーシューやワカンでもあれば少しは楽なのだろうか。使った事がないので分からない…。 完全に黒沢山をナメていたとしか言いようがない。

それでもヒィヒィいいながら登り続け、なんとか山頂到着。 一気に気が抜けるのであった。周りを見渡すと、木に黒澤山の標識を発見。 周りの枝には、登頂者の名前や日付が書かれたテープが数本ぶら下っている。 そんな事からも、かなりのマイナーピークだったみたいだ。自分も記録を残す何かを持ってくればよかった。 記念撮影を済ませてから、とにかく座ってボーッとする。登り始めてから5時間半。股まで埋まる雪だった為、半端ない疲労感だ。 持ってきたカップラーメンも全く食べる気にもなれず、とにかく水をがぶ飲みした。 それにしても寒すぎる。西から吹きつける風に体感温度はかなりの低さだ。寒さに耐えきれず、登頂の余韻に浸る間もなく下山する事に。 急斜面を滑らないように慎重に降りる。転んだら止まりそうに無い。なんだかんだで大岩まで戻ってきた。 岩を過ぎここからは快調に飛ばすぞっと思ったのも束の間、両足太ももが攣ってしまった。 そこからは瀕死の状態で下山し、何とか金比良山方面との分岐に到着。 それにしても非常に辛かった。体力が足りないことを痛感し、冬山の辛さを思い知らされるのであった。 このまま帰りは金比良山経由で下る。 でもこの黒沢山。あの笹の深さからすると、夏登るのは非常に厳しそうだ。他の人がどこから登ったのか気になる。 天狗岩からは行けないのだろうか。色んな事を考えるが、とにかく山頂を踏む事ができホッとしたのであった。

〜2010.07.07追記〜
当時の写真を整理していたら、山頂にぶら下がっていたリボンを撮影した写真が出てきた。 良く見ると、そこには”DJF”と書かれているではないかっ。 あの有名なホームページ『等高線の狭間から』の管理人である。 なんとも嬉しい発見でした。


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