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  ○ 木曽見台 1560m  … 木曽町 
  ○ 赤林山 2177.7m  … 木曽町・上松町 
  ○ 麦草岳 2733m  … 木曽町・上松町      2010.07.10(土) メンバー:JJ

   キビオ峠5:02−(48分)−木曽見台5:50−(50分)−4合目6:40−(37分)−赤林山南東鞍部7:17−(22分)−赤林山7:39
   −(16分)−赤林山南東鞍部7:55−(16分)−5合目8:11−(42分)−6合目8:53−(53分)−麦草岳9:46〜10:12
   −(26分)−7合目避難小屋10:38〜11:02−(27分)−6合目11:29−(65分)−4合目12:34〜12:44−(50分)−キビオ峠13:34

久しぶりに晴れの予報となった休み。中央アルプスへ出掛ける事にした。 前日野暮用があり、家に帰宅したのが0時近く。2時間しか睡眠出来ず、眠い目をを擦りながら3時半に家を出た。 麦草岳へ登るルートは福島Aコース・福島Bコース・上松Bコースの3ルート。 今回は福島Aコースを辿ってみる。 登山口のあるキビオ峠の駐車場までやってきたが車は一台も止まっておらず、一人黙々と準備をして出発する。

登山口へ入ると最初は少し籔っぽい踏み跡を辿る。踏み跡は数分で作業道と合流した。 そのまま作業道を歩いていくと”登山口”と書かれた標識が設置されており、山腹へ入る踏み跡が延びていた。 久しぶりのアルプスに妙にワクワクしながら踏み跡へ入るが、 睡眠不足が気になるので体のエンジンが掛るまではのんびり歩く様に心掛ける。

山腹に沿って緩やかに登っていく。 しばらく歩いて笹が生えてくると、登山道の上に刈り払いされた笹が落ちていた。 まだ青々としており数日しか経っていないであろう。 もともとしっかり踏まれている道なので気になる笹ではないのだが、 しっかりと手入れを行っている様子に頭が下がる。 この先の登山道が整備されていると思うと、安心感を持って進む事が出来るのであった。

尾根まで登ってくると、木曽見台への分岐となった。(写真の左踏み跡から登って来て、右の踏み跡が木曽見台へ。撮影側背後が麦草岳側。) ここで先に立ち寄るか帰りに立ち寄るか悩むが、帰りは福島Bコースを辿りスキー場から車道を歩いてキオビ峠に戻る案も考えにあったので、 とりあえず先に立ち寄っておく事にした。

分岐から数分で木曽見台に到着する。 展望台やベンチなどが設置された場所をイメージしていたが、なんともまぁ殺風景な広場だった。 期待する展望も、木が邪魔ですっきりしない。 それでも少しだけ雲海が覗き、御嶽も雲の隙間に見る事が出来た。

分岐へ戻り先へ進もうと歩きだすと、すぐに3合目の標識が設置されていた。 東側には”スキー場40分”と書かれた白い標識が設置されているが、今は廃道となっているらしい。 最初はスキー場を起点にこの廃道から登る事も考えたが、 結構な薮らしいので時期的にやめたのである。

空は曇りがちだが、日が射すと木々が緑色に輝く。 急な斜面もなく、順調に進んでいく。

ベンチが設置された4合目までやってきた。 睡眠不足の割には今のところ調子が良さそうなので、ポカリを一口飲んで休憩せず通過する。 4合目を通過したところで、赤林山を巻く様に山腹を進むようになる。

登山道は赤林山を上手くトラバースし、赤林山南東鞍部へ抜け出た。 今のところ福島Bコースで帰る考えが強いので、赤林山も先に登ってしまう事にする。 赤林山は籔山である為、ここからピークまで登山道は無い。 赤林山斜面を見る限り、あまり苦労無く登れそうだ。 適当に草の中を突っ込んでいく。

苦労なくと思っていたが、倒木が多く歩きにくい。 それでも薮がないので気分的に楽だ。 踏み跡の様なものが所々みられるので、歩きやすい場所を選んでどんどん登る。

赤林山に到着した。 中央に苔むした三角点があり、その上の木の枝に数本のリボンが付けられていた。 展望もなく特に何もない山頂だが、三角点の横に木で造られた何かが落ちていた。 さほど古くない物だが何の道具だろう。 さて、記念撮影を済ませ登山道へ戻る。 下っている途中、土の上に足を置いた瞬間ズボッと膝まで埋まった。 土の下に倒木の木の根っこがあり、空洞となっていたのだ。 今日のズボンはハーフパンツであり、気分的にブルーになるのは想像してもらえるだろう。 靴に入った土を落とし、気を取り直して登山道へ…。

後は麦草岳へ向け登るのみ。 登山道に設置された木の梯子や石の上などは、前日の雨などで良く滑るので慎重に足を運ぶ。 今日は薄着である事と涼しい風が吹いている事もあり、汗の量も少なく順調。 そう言えば、いつも登山ショップで買おうか悩むハイドレーションだが、 今までペットボトルで問題無いので必要ないかなぁと買わずに一年が経つ。 この前小秀山へ行った時も、すれ違った3人組の男性の一人が足を攣って瀕死の状態で下山していったが、 リュックにハイドレーションのホースが出ていた。 やはり飲む量やタイミング・飲む物によっては効果が無いものかと…。 でも便利だなぁと悩む日々は続きそうだ。

5合目に到着する。標識はあるが、あまり休憩適地ではない。 素通りして先へ進む。

徐々に高度も上がり、歩きやすい道をのんびり進む。 雲の流れが速いらしく、日が射したり陰ったりを繰り返している。 山頂では青空が広がるだろうか。駒ヶ岳は見えるだろうか。登りながらその事しか頭にない。

やっと6合目に着いた。 福島Bコース7合目避難小屋へのルートと麦草岳への直登ルートを、古い標識が示している。 現在直登ルートは廃道扱いとなっているが、上松Bルート合流までの距離もそれ程長くないので、 直登ルートの廃道へ足を進める事に。標識横の枯れた木の裏から、細い踏み跡が延びていた。

少し進むと岩がゴロゴロし始め、木の根を頼りに登る。 廃道とは言え、踏み跡は読み取れる。

岩場を抜けると樹林帯。少し薮っぽいが踏み跡もしっかりしていて、問題無く進む。

トラバースする様に山腹に踏み跡が延びるところまで来た。 丁度写真の場所から先、少し急な斜度のトラバースで、踏み跡は一気に細くなり籔が濃くなった。 歩みを進め薮がワサっとなったその時である。目の前に無数の虫が舞った。 5mm程の小さな白い虫で、半端な数では無い。 鼻で息をするが鼻の中にも入る勢いで、 4回程口の中に入り、その内一匹はタイミングが悪く胃袋の中へ消えていった…。 薮が揺れるたびに飛び立つので、服やズボンに何十匹と付着している(見えないがリュックも凄いと思われる)。 数分の間だが登山道の様子の記憶が無く、虫を振り払い続けた記憶しかない。 背の高いハイマツが増えてくると、この虫も殆ど居なくなった。 服やズボンに付いたままのその虫を振り払い先へ進む。 途中で踏み跡も分からなくなり、適当に大きなハイマツを掻きわけ進む。

歩きやすい踏み跡に抜け出ると、どうも上松Bコースと合流した様だ。 ふぅ。酷い虫だった…。 もともと福島Bコースを下山する予定で途中ピークも踏んで来たが、 ピストン予定だったとしてもこの区間だけは下山する気になれない。 でもこの小さな虫さえ居なければ踏み跡は読み取れるので、ただ単に虫だけが問題なのであった。 さて、気を取り直して…。 後は麦草岳へ向けハイマツの中に延びる踏み跡を進むのみ。 残念ながらガスが周囲を覆っているが、一面ハイマツの景色に気分も上々だ。

目の前に岩の塊が見えた。 踏み跡を辿り岩の前まで来ると一体の石仏が。 上手い具合に積み重なった大岩が屋根となり、天然の祠に祀られている様であった。 どうもこれが駒岩だろう。 石仏は麦草岳の反対側にあり、福島Bコースから来た場合、駒岩へ来ても裏に周らなければ気付かないかも。 手を合わせてから麦草岳へ向かう。

やっと麦草岳に到着。 一面ガスで展望は全くないが、久しぶりの高所に気持ちがいい。 三角点の脇にザックを下ろし、のんびり休憩する。 気付けばここまで休憩せず登ってきたので、石に座ったら一気に根が生えた。 青空を期待するが、山頂滞在中でガスが一番薄かった写真が上の写真(写真中央が駒岩側、写真右が最高点側)。 静かで誰も来ない山頂を一人満喫する。

さて、落ち着いてから2733m最高点へ向かい南側の踏み跡へ入る。 三角点ピークから先は深いハイマツで、背丈程のハイマツを掻きわけながら踏み跡を辿る。 一番奥のピークに乗ると、その先の稜線はガスの中へ向け下っていく。 ここから目の前に牙岩や木曽前岳、その奥に駒ヶ岳が見えるはずだが、濃いガスに覆われ牙岩すら見る事が出来なかった。 残念…。

麦草岳を30分程満喫して、とりあえず福島Bコース7合目避難小屋へ向け下山する事に。 三角点ピークから北東へ延びる踏み跡を下っていく。 こちら側のルートは現在メインルートだけあり、踏み跡もしっかりしていてる。 被害にあった小さな虫も居ない訳ではないが、薮を掻きわける訳ではないので飛び立つ量が少なく気にならない。 危険な個所もなくどんどん下る。

7合目避難小屋に着いた。 小屋の中に入り、椅子に腰を下ろす。 靴の中に入った土や枯れ葉を綺麗に払い、 箒で綺麗に小屋の床を掃除する。 ポカリを飲みながら100円カルパスを食べようと思った時、年配の男性が一人入ってきた。 テント装備で大きなリュック。駒ヶ岳で一泊するとの事。 ロープウェイで簡単に山頂に行ける駒ヶ岳だけに、このコースで登るなんて渋いですねと話すと、 歩いて登るから山は面白いんだよと熱い思いを語ってくれた。 しばらく雑談し、自分が麦草岳から下りてきた話をすると、 何か腑に落ちない感じでエアリアマップを取り出しルートを確認してきた。 少し古いマップで、福島Aコースの廃道区間に破線が引かれ、この避難小屋と山頂を結ぶルートに線が引かれていなかった。 避難小屋から直接麦草岳へ行くルートが現在のメインルートと教えると、辿ってきたルートが理解出来た様であった。 男性は麦草岳から木曽前岳へ抜け駒ヶ岳へ行く予定だったみたいで、廃道ルートを辿るところだったと喜んでいた。 自分はこの後福島Bコースを辿り舗装路でキビオ峠へ戻るかトラバース道で福島Aコースに戻るか悩んでいると、 男性が最後が舗装路じゃ折角山を登ったのにねぇと。 心底山好きな方なのであった。

ってな訳で、確かに下山後1時間以上の舗装路ってのも…。 その男性の意見に妙に納得してしまい、トラバース道で福島Aコースに戻って下山する事にした。 避難小屋から福島Aコースへ向かうトラバース道へ入る。 少し進むと、最近崩落したと思われる斜面が広がった。 細いステップが切られており、慎重に素早く通過する。 その後は危険なところも無く、途中水場もある。 顔を洗いすっきりして歩いていく。

福島Aコースの6合目に戻ってきた。 気付けば立ち込めていたガスも無くなり、空には青空が広がっていた。 さて、のんびりと下山するか。途中4合目で休憩を入れ、後は一気に登山口まで。 福島Aコースは全体的に傾斜も緩やかなので歩きやすく、静かな山行を楽しめる素晴らしいコースなのでした。


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